[アップデート] Generative BI の Amazon Q in QuickSight が GA となり、QuickSight のユーザーロールに「プロ」が追加されました

[アップデート] Generative BI の Amazon Q in QuickSight が GA となり、QuickSight のユーザーロールに「プロ」が追加されました

Clock Icon2024.05.01

いわさです。

昨年の AWS re:Invent 2023 では Amazon Q の様々な機能が発表され、その中の一部として生成 BI 機能である「Amazon Q in QuickSight」がパブリックプレビューでリリースされていました。

昨日、Amazon Q の様々な機能が GA となっています。
そして Amazon Q in QuickSight もついに昨日 GA (一般提供) となりました。

気になる GA 時の提供リージョンですが、バージニア北部・オレゴン・フランクフルトの 3 つのようです。

東京リージョンでの利用はまだ待つ必要がありそうですが、今回の GA に伴って QuickSight Q の取り扱いやユーザーロール、管理画面など色々と変わっています。
東京リージョンの管理者ロールの方はおそらく混乱すると思います。

本日は変更点など調べていますので、Amazon Q in QuickSight の利用がまだ先でも変更点は抑えておきましょう。

Q アドオンの購入という概念はなくなったらしい

今回の変更点は主に QuickSight コンソールの管理機能で発生しています。

まず、従来は「お客様のサブスクリプション」というメニューが存在していたのですが「価格を管理」というメニューに変更されました。
ユーザーインターフェースが変わっていますが、その新しいメニュー内で年間サブスクリプションやリーダーセッションキャパシティの購入、ページ分割レポートアドオンの購入を従来どおり行うことが出来ます。

そして QuickSight Q アドオンについてですが、この画面から購入は出来なくなりました。
また、別記事で作成中なのですが QuickSight 新規サブスクリプションの作成画面も実は刷新されてまして、サブスクリプション作成時にも QuickSight Q はもう有効化はできなくなってます。

サブスクリプション作成 API では従来はENTERPRISE_AND_Qエディションを指定することでエンタープライズ + Q を有効化出来たのですがそれも出来なくなりました。

% cat fuga.json
{
    "Edition": "ENTERPRISE_AND_Q",
    "AuthenticationMethod": "IAM_AND_QUICKSIGHT",
    "AwsAccountId": "123456789012",
    "AccountName": "hoge0501quickcsight",
    "NotificationEmail": "iwasa.takahito+hoge0501@example.com",
    "FirstName": "Takahito",
    "LastName": "Iwasa",
    "EmailAddress": "iwasa.takahito+hoge0501@example.com",
    "ContactNumber": "00000000000"
}
% aws quicksight create-account-subscription --cli-input-json file://fuga.json --profile hogeadmin         
{
    "Status": 200,
    "SignupResponse": {
        "IAMUser": true,
        "userLoginName": "hogeadmin",
        "accountName": "hoge0501quickcsight",
        "directoryType": "IDENTITY_POOL"
    },
    "RequestId": "a0d94fcb-2d3a-46e8-89e1-3acb4f634a7f"
}

上記コマンドで新しいサブスクリプションを作成したところ、通常のエンタープライズエディションで作成され、Q も「無効」状態でした。

Amazon Q in QuickSight と QuickSight Q のふたつはどう違うのは微妙な感じだったのですが、おそらく(私の推測)今回の GA に伴って Amazon Q in QuickSight に QuickSight Q は完全にマージされたのだと思います。

公式ドキュメント上は QuickSight Q に関する記述が引き続き残っており、Amazon Q in QuickSight と分かれたままですが、きっとそのうちこのあたりも更新されていくのではないでしょうかね。

「プロ」ロール

「価格を管理」画面の表記を見て頂くと次のように記載されています。

ユーザーが QuickSight のジェネレーティブ BI 機能にアクセスできるようにするには、ユーザーをプロロールにアップグレードするか、招待してください。

プロロールとは...?

ユーザーロールが追加されている

QuickSight 管理画面の「ユーザーを管理」機能を見てみましょう。
「Amazon Q in QuickSight が利用可能になりました」とアピールされています。

そしてユーザーのロールを確認してみると、なんと次のようにロールが増えています。
従来は管理者・作成者・閲覧者の 3 つでしたが、新たにリーダープロ・著者プロ・管理者プロの 3 つが追加され、計 6 つに。
翻訳が少し不自然ですが、管理者プロ・作成者プロ・閲覧者プロということでしょう。

どうやら、プロロールにアップグレートされたユーザーが Amazon Q in QuickSight の機能を使えるようになるようです。

料金

料金表にプロロールについても追加されています。

まず、従来のロールは料金は変わらないです。
管理者・作成者が 24 USD/月 で、リーダーが 0.30 USD/セッション~最大 5 USD/月。

2024.05.02 追記
以下の公式ブログによると、2025年5月1日から非プロ閲覧者の利用料金も変わるようです。
Amazon Q in QuickSight の新ユーザーロールとAmazon QuickSight Enterprise Editionの新価格について
セッションベースで0.3USDから始まり5USDを最大とする従量課金制だったのですが、固定で3USDになるようです。
使用頻度によっては料金がかなり上がるサブスクリプションありそうですね。気をつけましょう。
管理者と閲覧者は据え置きみたいです。

そして、管理者プロと作成者プロは 50 USD/月、閲覧者プロは 20 USD/月のようです。

また、上記料金ページのプロロール注意事項には次のように記載されています。

  • Author Pro または Reader Pro ライセンスをお持ちのアカウントには、1 か月あたり 250 USD の有効化料金がかかります。

ユーザーごとの料金以外に、アカウント共通で月額が発生するようです。
従来の QuickSight Q も、月額 250 ドルが有効化したリージョンごとに発生していましたのでおそらく同じものでしょう。

プロロール有効化してみた

本日は実際にプロロールのユーザーを作成してみました。
登録済みユーザーのロールをプロに変更することも出来ますし、招待するユーザーのロールにプロロールを指定することも出来ます。

東京リージョンでは使えなかったが、予兆を感じた

まず管理者プロユーザーで東京リージョンの分析を操作してみました。
すると、分析に「Q で編集」アイコンが追加されています。もしかして東京リージョンでも使える...?

しかし、ビジュアルの変更を指示したところ「互換性がない」と表示されました。
英語で入力したり、もっと単純な指示を行ったりしてみましたがいずれの場合も期待どおり動作しませんでした。

東京リージョンではまだ使えないようです。
ただ、このアイコンはプロロール以外のユーザーでは表示されなかったので、東京リージョン準備中なのではという気もちょっとしており、期待感が高まります。

バージニア北部リージョンでは使えた

アナウンスでサポートリージョンとされているバージニア北部リージョンでも確認してみます。
リージョンを切り替えるとデータストーリーやトピックのメニュー、右上に Q ボタンなど、Amazon Q in QuickSight 仕様になっていますね。やはり東京リージョンとは違っています。

試しに先ほどと同じようにビジュアル編集指示をしてみます。

おお、変更が動作してそうですね。

指示どおり円グラフに変わりました。
また、ダッシュボードでもエグゼクティブサマリーやデータストーリーのためのビルドボタンが表示されており、Amazon Q in QuickSight の提供機能としてはプレビュー時と同じのようですが、機能していることが確認出来ますね。

プロロールから通常ロールへ

プロロールへ設定後、通常ロールへ戻すことが出来るのか試してみました。
結果としては戻すことが出来ました。
ただ、管理者&作成者から閲覧者ロールへ戻すことが出来ないのは従来どおりですのでそこは気をつけましょう。

さいごに

本日は Generative BI の Amazon Q in QuickSight が GA となり、QuickSight のユーザーロールに「プロ」が追加されたので実際に使ってみました。

機能の完成度は評価出来ていないですが、遂に GA となりました。
QuickSight 管理者の方は管理メニューやユーザーロール周りで若干混乱する可能性があるので変更点をしっかり抑えておきましょう。

あとはリージョンですね。早く東京リージョンに来てほしいです。
データストーリーやエグゼクティブサマリを使いたいのですよ私は。

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